先日のダンス公演「アダルト版ユメミルチカラ」は、半世紀近い私のダンス人生の中でも本当に特別なものだった。
カボチャパンツのインナー
そもそも丸2か月合宿なんて、劇団やダンスカンパニーでも聞いたことがない。
そのほかにも、専用稽古場があるため、照明から大道具からリノ(敷き物)まで最初から据え付けなのだ。
宮本亜門さんが演出するような商業演劇でも、本番が近づいたらやっと体育館くらいの場所を借りて、本番同様のセットを立てられたらラッキーくらいの話なので、それがどれだけ特別なことかおわかりいただけるだろうか。
音響さんも仮にその日一度も曲を鳴らさなかったとしても、朝から晩まで付いてくださる。
必ずその日の映像は撮影してYouTubeにアップしたものが夜には全員に共有される。
つまり、演者はダンスだけに専念できる環境なのだ。
衣装さんも専属で一人付いていただいたのだが、彼女は本当にすごかった。
演出家以下、音響、照明、美術、映像、舞台監督、制作等、飛びぬけて素晴らしいスタッフさんばかりだが、一応は想定の範囲内。
ところが、衣装さんだけは私の想像をはるかに超えていた。
まず、彼女は初日に出演者全員の採寸をするやいなや、ひと月くらいで全員分の衣装をじゃんじゃん作っていった。
縫うと言わないのは、それ以外のクリエーションが多いからだ。
自分たちで移動させたことがない
一人5-6着は着るので、全部で50着くらいなのだろうか。
枚数だけならAKBの衣装さんもそれくらいは縫う。
ただし、同じデザインで、似たような背格好の少女なので、量産が可能だ。
ところが、私たちの場合、サイズがXSから3Lくらいの開きがあるのだ。
さらには、全員デザインも色も違う。
パーツにペイント&スプレー
型紙を起こして、ものによっては生地を染めるところから始まる。
私なんて、着物と帯を新調してもらったので、最初は仕付け糸が付いていたほど。
全員に仮縫いしては着せて、フィットするように何度も調整してくださった。
稽古中から衣装を着て本番同様に練習できるのはありがたいが、一度通すと汗でびっしょり。
それをクリーニング屋さんのような業務用ランドリーで洗って、毎日アイロンがけしてくださる。
自分が勝手にやせてウエストがぶかぶかになってしまっただけなのに(いわば自己責任)、スカートの内側にゴムをつけて縮めてくださったことが個人的には最も恐縮だった。
踊っていてブラウスが出てこないよう、中のスパッツとブラウスを留めるスナップもつけていただいた。
えーん、そんな見えないところまで?
結べないのでゴム式のネクタイにしてくださる
「着物は踊っていると前がはだけるので、どうしましょうか?」
と相談したら、
「じゃあ、中にはくモンペみたいなものを考えますね」
と言ってくださった。
翌日くらいに準備してくださるのかな?と思ったら…
1分後くらいに出てきた。
そう、中にはくスパッツ、インナーなどもすべて準備して、整えてくださるのだ。
踊っている間に髪飾りの首ゴムがはじけたら、リハーサル終わりにはちゃんと縫い付けてあった。
つまり、リハーサル中に気づいて即直してくださったということなのだ。
日々の稽古も通しとなるとメモを持って立ち会って、あちこちをチェックされていたし、着替えも手伝って、ステージに出るまでにチェックされる。
誰が、舞台のどちら側にはけるかまでを把握して、上手・下手それぞれに衣装を準備してくださってきた。
ウルトラマンのような立体的な帽子も手作り
(画像は加工処理してあります)
これまでのダンス衣装はというと… 大型の舞台の時だけ衣装さん(東映衣装等)が付き、必要なものをハンガーにかけておいてくれるだけ
身内の人(保護者や裁縫が得意なメンバー)が縫う
市販の衣装を買う
「白いものなら何でもいい」のような色指定で、各自が持参する
そんな感じでやってきた私にとっては、至れり尽くせりとしか言いようがない。
そんな衣装さんにこれといったお礼もできていないのだが、いつかきちんとお礼をしたい。
絶対に一緒に写真を撮ってもらいたかったの
パンフレットやwebサイトにも出ているので秘密ではないと思うが 高橋佳也子さん
私たちのために昼夜問わず、衣装を整えてくださり、
本当にありがとうございました。
このご恩は一生忘れません。
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