今年の連休の前半3日は、課題的な仕事を抱えていていつ終わるか見通しも立なかったが、なんとか2日で終わったので3日目は大吉原展を見に大学まで。
襖で仕切っただけの個室に贅沢な料理が並んだところを再現
大混雑が予想されたが、黒山の人だかりというわけでもなく、展示物の説明(キャプション)は読める程度だった。
展示物は主に浮世絵、版画の美人画などで、頭を小さく描いてあり、十二頭身くらいなので、その比率でいくと身長180センチくらいのイメージ。
なんだか現実味がないなと思ったが、鑑賞を進めていくと、外国人が描いた遊女たちの肖像、写真などが出てきて、実は本当に背が低い、美人たちでもないとわかって安心する。
吉原跡地のエリアは今もソープランドが立ち並ぶ売春エリアになるが、江戸時代の吉原と言えば、遊女は美貌のほか、琴、三味線、舞踊などの芸事や俳諧等ができなければ務まらなかったというので、現代に置き換えると松任谷由実と雅子皇后を掛け合わせたような存在なのかもしれない。
最近は図書館側の門も開いている
とはいえ、多くの遊女は身売りで連れて来られたわけでその制度自体、SDGsの時代に褒めたたえられるものではなく、展覧会が抗議を受けたりしている。
ただ、江戸時代の暮らしのほんの一部でも知るきっかけになっていることは事実だ。
本展は通常の展覧会とは趣向が違う。
赤い灯とのれんで街並みをイメージさせるゾーニングで、監視スタッフは揃いの半てん。
音声ガイドも導入されていた。
(大学美術館で音声ガイドが貸し出されているのを見るのは初めてかもしれない)
撮影OK模型の向こう側に見える演出が垣間見えるだろうか
観客は見事に中年以上。
平均年齢50歳といったところだろうか。
ちびっこもギャルもいない。
ついでに外国人も皆無。
お隣の国立博物館にはインバウンド客が訪れていると思うが、この美術館、この企画展は外国人が知ることもなく、興味を持つこともないということか。
入り口から最も奥に風呂らしき場所も発見した
基本的に写真撮影は禁止だが、1カ所、吉原の大店の復元模型だけは撮影可能だった。
これまで見てきた吉原と言えば、牢屋のような格子の中で遊女が座っている写真くらいで食堂くらいの広さかと思っていたが、模型で見てもすごーく広かった。
今の時代にこんな広さの飲食店などない。
また、3DのCGで吉原の街並みを再現した映像も人だかりがしていた。
かなりの広さということが体感できた。
売店まで提灯演出、揃いの半てんは2万円
私は二度、吉原のあった台東区に住んでいたが、どんなところか見てみようと、地図を見てあたりをつけて自転車で3度挑戦したことがあったが、たどりつけなかった。
やっと行けたのは中国からの留学生を連れて台東区のコミュニティバスに乗り、吉原大門前で下車した時だ。
それほどに、道がまっすぐではなく、行くのが難しいエリア。
江戸を体感したい方はぜひ。
5月19日(日)まで。
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