スキーは置いてかれることの連続だ
12月は切なく、悔しい思いをする出来事が続いた。
おそらく年末で大人数と会う機会が多いことが原因だ。
一人で家にいれば起きないことが起こってしまう。
これはいったい何なのだ?と振り返ると、「置いてけぼり」にされることがつらいのだろう。
子どもの頃から不器用で、何一つうまくできなかった私。
幼稚園の合奏は太鼓もハーモニカもうまくできなくて、幼児のくせに柱の陰で泣く。
かけっこは万年ビリ、跳び箱跳べません、鉄棒の逆上がりできません…で泣く。
小学3年のそろばんの授業は全く付いていけず、最後まで筆算でしのぐ。
バトンでブラインドキャッチができず、よしみ先生に居残りさせられて号泣。
高校の数Ⅰがさっぱり理解できず、退学したほうがいいのでは?とトイレの前でしゃくり上げる。
周りの人はみんな楽々できるので、私だけ置いていかれるのだ。ザ・落ちこぼれ。
同じことをやっても2歳下の妹は最初からやってのけることが多く、まぶしい存在だった。
スキーの会社にいる頃はよくJリーグ観戦に行った
そして、大人になっても、私は置いていかれることの連続だ。
純粋に、簿記の意味がわかりません、HTML何度書いてもブラウザに表示されません、といった問題はさておき、人格が置いていかれることもしょっちゅうだ。
フルマラソンの試走では、
「ノボちゃんは初めてだから僕が様子を見ています」と言ったにもかかわらず、置いていったランナー。
コースじゃなくて、公道だよ。炎天下、私を見捨てる気か!と、本当に途方に暮れた。
(この時、先輩から命じられて、最後まで伴走してくれた男子には一生分の恩義を感じています)
東京マラソン前の皇居練習。
二人だけだというのに、トライアスリートは自分のペースで走っていき、置き去りにされた。
二人で並走しなきゃ練習にならないじゃん。
それはたとえば、片思いの彼にスキーに誘われて、全然滑れないのに勇気を出して行ったものの、彼は上級者のため上級コースでほかの女の子と仲良く滑っていて、自分はふもとにぽつんと残されたような孤独感というか…。
一人ぼっちで屋内スキー施設「ザウス」の視察に行った時
男女で踊ることが基本のサルサやZOUKのペアで、相手が行きつけのクラブに行ったところ、相手は自分とは一切踊らず、ほかの女性とばかり踊りまくっている。
ずっと習得したい技があったのに、相手がその女性に教えたら自分の目の前でできるようになっていた。
それ、私がずっと二人で練習したかった技なのに…。
ダンスの技ばっかりは異性の相手がいないと練習できないから。
そんな感じかしらね。
ドライブデートで山頂や寂しい町に連れて行かれ、男性が気が変わって、女性が置き去りにされるという話もあちこちから聞く。
同僚男子にもそれをやった人がいると知って、「なんてひどいことを…」と憤慨したものだ。
その点、キナバル山登頂の際は、さまざまな事情が重なって、私一人だけに山岳ガイドと通訳が付いた。
私が「止まる」と言えば止まってもらえ、「進む」と言えば再び歩き始めてもらえたのだ。
この「置いていかれない安心感」というのは、今から思えば本当に万に一つの確率で私に与えられた贅沢な時間だった。
私のペースでいいんなら、私だってできるもん。
開発していた青森県のスキー場予定地(ボスがいないな)
ところが、若い頃なら置き去りにされてびぃびぃ泣いて過ごしたかもしれないが、大人になった今ならいくつかの打開策や活用案が浮かぶ。
これらの切ない気持ちを避けたいなら、人が多く集まるところに出かけなければいい。
家で一人でいる分には、誰も関わってこないから、置いてけぼりにされることもない。
教えることにおいて、分からない人はどこが分からない、どうすればできるようになるかが分かるのは私の強みだ。
大勢がいても華やかなデキる人ではなく、地味な人、デキない人を気にかけることもできる。
あとは、この切ない気持ちを私は「書く」ことができる。
こんな感情を持ったことがなければ心の描写は書けないので、こういう体験をしたことは貴重だなと思えるようになった自分がいるのだ。
林真理子先生も、大学卒業後に就職が決まらず、バイト先でこき下ろされた経験がバネになって書けたと聞くし。
ひどいことを言われても、「あなたの発する言葉を一字一句覚えて帰ってやるわ」という気概なら悲しさは吹き飛ぶ。
たぶん、私は切なさも悔しさもバネにできる女のはずだ。
平穏な生活を送ってきた女性には書けない、切なさを書いていきましょうとも。
プレゼンで「相手を置いてけぼりにしない方法」は79ページに書いています。
「プレゼンで愛される!」(きずな出版)
プレゼン・コンシェルジュの【伝え方教室】
http://gufo.roobikhouse.com/author/nobukoamano
プレゼン・コンシェルジュNOVOの辛口web日記は
ただいま【3566号】