大学院の修了から半年。在学生は論文提出まであと2カ月という段階なので、忘れぬうちに大学院のことを書き残しておきたい。
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3月まで私が学んだ放送大学の大学院は大学を卒業するのが成人が多い関係で、院生も社会人、50代以上の人が多い。
ご存じの通り、通信制なのだが、実は通信制の大学院は国内にいくつもある。
通信制だから楽かと言えば、そんなことはなく、学卒の大学院と同じ2年で終わらせようとするとかなりタイト。
1年で全ての単位をとりつつ、ゼミで研究の進捗状況を発表し、2年は調査や実験をして論文にまとめる段取りをつけた人だけが修了できる感触だ。
そのゼミというのが、学会発表スタイルで千葉か東京の校舎で行われるのだが、私は先生に怒られ続けていた。
学会発表スタイルというのを先輩や先生のお手本を見たこともないのに自分たちがやるので、それは当然だと思うが。
【1】目的から述べる(結論は後回し)
何が違うといって、最初に研究の背景、目的から入っていく。
過去の参考文献などを紹介し、自分の調査や実験の結果をつたえ、最後にまとめと称して結論を述べる、という流れでいかなければいけないらしい。
私も同級生も参考文献の列挙の仕方でつねにドッカーンと怒られていた。
それは、最初に教えられてないんだから仕方ないんじゃないかなあ。
でも、いい年をした大人なのに、同級生と泣いてしまったくらいの怒られようなのだ。
東京藝大は作品発表が中心で論文の書き方、発表の仕方なんて教えてくれなかったんですが。
普段、「背景や目的などの能書きはどうでもいいので、結論を最初に伝えよ」と教えている私は大いに面食らった。
【2】断定禁止
そのほかには、断定が禁止というお作法が存在する。
「AはBである」
「CはDではない」
そんな言い方をしたら、こっぴどく叱られる。
「AはBと推察される」
「CはDではないと考えられる」
そんなお茶を濁す文体が学会発表の約束だそうだ。
これがインドの花手水
【3】時間厳守
15分の発表、5分の質疑応答で計20分。
これは、学会でも、学内でも、ゼミでも同じだ。
残りの分数は卓上鈴で知らせが入る。
学校だから待ってくれると思ったら大間違いで、容赦なく止められる。
プレゼンの時間は元から守っているが、さらに守るようになった。
私はピクトグラムを使ったオンラインワークショップの研究をやっていたものの、世の中に何の影響も及ぼしていない。
それでも大学院に行ってみてよかったと思っている。
プレゼンテーションの指導でも、(A)実ビジネスや高校生までのものと、(B)大学生以上のアカデミックなものを使い分けるスキルが身についたからだ。
スライド制作を請け負っても、AかBで作り方を変えられる。
自分が学会で発表することはこの先ないかもしれないが、発表する方のアドバイスはできるようになったはず。
そういうご用命があれば、よろしくお願いします。
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