皆さんは高田善右衛門をご存じだろうか?
私は知らなかった。先週、ある会合で飲食店とその店が入るビルのオーナーが「私は修身の教科書に登場する高田善右衛門、高善の○代目当主で…」と自己紹介されなければ一生知らなかったと思う。
気になって帰宅後調べてみた。修身とは戦中までの道徳のことで、教科書に27項あるうち、「自立自営」で2項にわたって登場する近江商人が高田善右衛門さんだ。
教科書に登場するといえば、今でいうとノーベル賞受賞の科学者とか宇宙飛行士のような偉人なのだろう。ひと昔前の小学校には二宮金次郎の銅像があったものだが、戦時中に修身に取り上げられるということはそれ以上の方のはずだ。
戦後生まれの私が知らないのは当然だが、私より若い世代も全く知らないだろう。名前だけでももっと知られてもよさそうなものだ。小学校で「自立自営」の精神を絶対的なことだと教えられたら、この国にひきこもりの問題など起こらないだろう。
麹町にあるその建物はその名も「高善ビル」というが、「高善」という名を受け継ぐのは、もしかしたら歌舞伎の名家や将軍家、公家の名を継ぐより重いことなのかもしれない。戦時中に天皇陛下と同じ教科書に紹介されるとはよくよくのことだ。
平成の高善さんは気さくな方だが、今月、ビルの1階にヘルシー・カフェ「マリーナ」をオープンされた。私が出版セミナーで話したときに受講されたご近所在住の女性が内装を手がけられているというご縁もあった。
ぜひ一度お出かけください。
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ただいま【第2800号】