この世には”見える”人がいる。
グラフの項目が右から左に並ぶことはない
(矢印が左向きになることもない)
亡くなった人の霊やら前世の誰かとか。
私には全く見えないので、逆にありがたい限りだ。
そして、私も別のものが”見える”人ではある。
プレゼンの仕事と並行してやってきた校閲・校正でチェックする間違いなどが見える。
プライベートな時間、たとえば電車で移動している時、テレビを見ている時でも、探そうとしていないのに、間違いが見えてしまう。
しかも、一般的な方より動体視力が良いようで、シャッと動いたものの中の間違いが見えたりするのだ。
仕事で長文に取り組んでいる時なら見逃してしまったりするし、自分の書いた文章は結構間違えているというのに。
新聞広告を見て即アマゾンで注文してしまった
この仕事、多くの方は誤字・脱字をチェックしていると思われているようだが、実はそうではない。
昨年末に某組織で校閲の超ダイジェスト版の講義を別のメンバー向けに2回させていただき、その時の冒頭で自分の口からするりと出てきた言葉が真実だ。
「皆さん、校閲と言うと、誤字脱字のチェックをしていると思われているかもしれません。
確かに、それも仕事の一部ではありますが、文字は少々間違っていても大問題になることはありません。
”ああ、間違えてるな”(クスッ)で終わります。
では、なぜ編集に校閲という工程が入るかと言えば、トラブルを避けるためです」。
校閲者は妖精か…重みのある言葉だ
例えば、「~にもかかわらず」という際に、「関わらず」という字を書いていても、困る人や損をする人はいない(正しくは拘わらず)。
住宅の販売価格が15,000万円(1億5,000万円)のところ、0が1つ少なく1,500万円となっていたら、見た見込み客からは広告に1,500万円と出ているから…とねじ込まれて、1,500万円で売らなければいけなくなる。
販売会社は1億円以上の大損をすることになる。
その広告を出した広告主が新聞社などの媒体からおとり広告※を出したとして厳重注意を受けるか、取引停止になったりすることもある。
※安い商品で消費者を釣って、ほかの高い商品を買わせる商法
誰かを誹謗中傷する文言、差別用語が出ていると、右翼の街宣車が会社にやってきたり、訴訟に発展したりもする。
雑誌や書籍なら回収騒ぎにもなる。
そういうトラブルを避けるために、それをチェックしていく職が存在するのだ。
今はゲラ(原稿)にこういうスタンプを押すことも減った
この”見える”能力を社会に還元する道はないかと考えて、思いついたのがインスタグラムへの投稿だ。
インスタグラムは、興味のあること、無理なく続けられることをやるといいと教えてもらったので。
それは、新聞や書籍の中にあるだけではなく、広告、看板、貼り紙…あまりにも身近なものに紛れている。
インスタを見た人が、”ああ、そういう使い分けがあるんだな”、”今度からそこに注意しよう”と思うヒントになればいいな。
私は、たまっていくNG例画像を保管する場所になっていくのもありがたい。
かつて見学に行った東京書籍の工場に貼ってあった標語
ハッシュタグを考えていて、最初に思いついたのは
#校閲ガール だが、どう考えても私はガールではない。
次に、
#校閲刑事 ←コウエツデカ
を考えたが、秘密警察のようで怖いので
#校閲マダム
にします。
普通の何か発見した時のインスタグラムと同じアカウントですが、
nobuko.amano
(https://www.instagram.com/nobuko.amano/?hl=ja )
に発見するごとに投稿していくつもりです。
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