最近、私の周りはコピーライターだらけだ。コピーは広告文のことで、コピーライターはそれを書く職業を指す。
1980年代は広告の仕事が最もカッコいいとされた時代だ。話題の人気CMを流すサントリーや資生堂が人気企業で、そこの宣伝部でコピーライターやアートディレクターをやるのが一番の花形職業だった。当然ながら、その職業につける人などごくわずか。
コピーライターならほぼ全員が通過する「宣伝会議コピーライター養成講座」は私も受けた。80年代に広島にいながら通信制で、97年に東京・青山の通学制で「プロフェッショナル上級クラス」を。クラスメイトたちは宣伝会議賞を受賞したりしていたし、熾烈な争いながらも華やかなクラスだった。
その後、webの出現で、広告はダサい仕事とされるようになる。勤務先の自分の部下たちも「広告はイヤ、webがやりたい」と言ってきかないので、なだめて広告の仕事をやってもらうのに苦心したものだ。
そして今コピーライターと自称している人たちは、webやメールの文章を書く。1枚もので下に長~く続くページで「1週間で5kg痩せる」「ぜひお急ぎください」みたいな言葉を書き連ねて、商品やサービスの購入ボタンを押させるのが目的だ。
「これさえ書いておけば売れる」と教えられたものを並べている印象で、需要が多いからかコピーライターの名刺を持った人にやたら出会う。その多くは20代の若者で、web文章のテクニックしか知らずに仕事をこなしているようだ。、
彼らはwebの文章しか書けないが、昔のコピーライターは新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、交通広告、屋外広告、企画書、絵コンテと、一通り何でも書けるように訓練された。何が売れているか、何が流行っているかの調査も町に出て自分でやるよう教えられたものだ。
webのコピーライターはスーツを着て仕事をしたことがない者もいるし、手紙も書いたことがない、出したことがないような人までいる。
最新のライフスタイルでそれは仕方ないと思うが、web系コピーライターは、本来会社で先輩や上司から教わるマナーや常識を知らない。先輩が忙しそうにしていたら手伝う、こういう場にはスーツを着て名刺を持っていく、来客があったらお茶を出す…そんな簡単なことだが、誰にも教わってないからそんな基本的なことができない悲哀。
クライアントの「トーン&マナー」に配慮するというコピーライターの美学はどこに行ってしまったんだろうか。
1行のコピーが人々の心を動かす時代も知っている私は幸せだ。
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プレゼン・コンシェルジュNOVOの辛口web日記は
ただいま【3309号】