芸術の話は興味がない人も多い。アクセス数はガクンと落ちるのかもしれないが、感動したことは書き留めておきたい。
円形図形楽譜ってこんなもの
藝大院生のチバちゃんこと千葉紘香さん(今春の卒業生)がかなり前から告知していたので出かけてきたのは…
SENJU LAB
美術と音楽をアートする
https://www.geidai.ac.jp/container/sogakudo/74023.html
音楽学部の千住明先生主催のワークショップの発表会という位置づけのものだ。
ワークショップとか発表という言葉にとらわれてはいけない。
これがまあ、本当にお金と時間と手間のかかった壮大なものなのだ。
コンサートだけでも約4時間かかったのだから。
立派なパンフレットも無料配布された
大学には北千住キャンパスがあるので、私はそのキャンパスでやっているからSENJU LAB(センジュ研究室)だと思っていたが、千住先生ってヴァイオリニストの千住真理子さんのお兄さんなのだとか。
そんな程度の芸術オンチの私が語ることなので、難しい用語は出てきません。心配ご無用。
今回の公演はフルオーケストラと映像で綴る総合芸術といった感じのもの。
千住先生をお見掛けするのは初めてだが、1通りの流れを2回繰り返すことを”2回し”と呼んだり、演目のことを”出し物”と呼んだり、偉ぶらない気さくな方だと思ったわー。
千葉さんは円形図形楽譜という表現方法を編み出し、ただの記号ではなく感情を表現したビジュアルに進化させた。
それがループになっているのでエンドレスに演奏できるのが特徴だそうだ。
円形図形楽譜のバリエーション
また、作曲科の一人の男子学生はYAMAHAの自動演奏ピアノに演奏させる演目を提供していた。
ステージ上に演奏家はゼロ。
ただピアノだけが音を奏でるのだ。
それをスクリーンに大写しにしたものを見る。
作曲家がやるのは曲を作って譜面にし、ピアノにプログラミングするということなのだろうか。
今後のAI時代には人間は演奏しなくなっていくのかもしれないなあ。
そして3部はCG映像とフルオーケストラの演目だ。
あるプロジェクトで私と同じグループだったYayi Tangちゃん(今春の卒業生)がそこの映像を作っていた。
※Tangの漢字は唐、中国からの留学生
このような3面に流れるように映すにはどのように投影するの?
わかりやすくたとえるなら約1時間続くプロジェクションマッピングという感じだ。
水墨画風、日本画風のデザインがずっと動きを続ける。
壁面に映すだけでなく、3面に映し出し、それがつながっているのだ。
生演奏とシンクロしていたが、何を使ってどう作るか想像もできない。
また、それをどうやって投影するかも全く理解できない。
座学講義の時、後ろの席から彼女のパソコン画面をしょっちゅう目にしていたが、それらしきものは見かけたことがなかった。
卒業制作でもインスタグラムでも彼女の映像ワークを見たことがなかったので、余計驚いたのだ。
どれだけの引き出しを持ってるんだよ、タンちゃん。
自治体のホールより断然立派な学内の奏楽堂
大学院の映像研究科の学生さんたちが作った映像はたくさん見てきたが、レベルは全く違い、デザイン科のタンちゃんのほうが数段上だ。
細っちい手作りラー油のタンちゃんのどこにこんなパワーが?
彼女はそのうち、NHK大河ドラマやハリウッド映画のタイトルバックなどを作る人になるのかもしれない。皆さんもタン・ヤイのこと、覚えていてください。
卒展ではタペストリーを展示していた
終わった後で知らせても後の祭り。
こんなにスゴいものだと知っていたら、もっと多くの人を呼んだのに。
しかも、無料ですよ、入場無料!
リハーサル会場や本番の立派なホールを使うにしてもお金がかからない。
大学教育の一環ということで、音楽家たちへのギャラも発生しない。
大学という装置はなんて素晴らしいんだろう!
しかし、入試も作品制作もない時期にもかかわらず、学生はほとんど来ておらず本当にモッタイないことだと思う。
身近にアートがあるなら、しかも無料なら、それは黙って見ておくべきだ。
時代が変わる瞬間に立ち会える可能性がある。
4月12日(金)19-21時
月刊 ベストセラー作家に聞け!
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