先日、所用でアムウェイの本社ビルに行った。
こちらはNHKとは反対の裏口
アムウェイとは洗剤、化粧品などを直販させ、たくさん販売した人や販売員を増やした人にはご褒美が出るビジネスだ。1980年代には大流行し、○○○講とか、○○○ビジネスと呼ばれた。その真偽のほどは自分で入ってやってみるしか確認のしようがない。
このビルに行ったのは用務先がテナントで入っているからだ。少し前、600人いた社員を400人にまで大リストラし、空いたフロアができたので別の会社を入居させることになったそうだ。
渋谷のNHKの隣にあるが、若い人たちが紙袋を持って出てくるのですぐに分かった。中に入っても1階は直売コーナーで小金を持ってそうな、こじゃれた若者であふれかえっていた。最近、アムウェイをやっている人を聞かないなと思ったら、それは若い人の間で流行るものだったのだ。自分が50歳だから、周りにアムウェイをやるような若者がいないだけの話だったんだね。
化粧品コーナーでフルメークする猛者も
確かに、私が誘われたのは20代の時だ。アムウェイ勧誘の特徴として、親友でもなんでもない知り合いから突然電話がかかってくる。当時は携帯もパソコンもないので、自宅の電話にだ。そして、用件も告げず「会おう」と言ってくるのだ。社会人の時点で小学校の級友がかけてきたのが一番、あきれた事案だろうか。
皆「私が知ってる人はハワイに別荘を買った」とか「私の上の人はベンツに乗っている」、「一緒に幸せになろうよ」とニンジンをぶら下げて誘ってくるが、「じゃあ、○○ちゃんはそれでいくら儲かったの？私、○○ちゃんがハワイに別荘を買えたら信用して、それやってみてもいいけどね」と言うと皆、黙りこくるのだった。それくらいのトークを切りかわすくらいのマニュアルは準備しておかないと、売れないんじゃない？
結局、その当時の知人でアムウェイによって一財産を築き、ハワイに別荘買った人など一人もいない。あきらめて普通の仕事に戻っていくのだ。かつての職場にアムウェイから転職してきた男性がいたが、ご褒美旅行の担当だったのに、ご褒美を出すほどの売上がなくリストラされた…と話していた。
ここ30年の検証でこのビジネスの結果はわかっているよね。少なくとも私は。こんなもので2万や5万のお金を手にしたところで、友人たちを失いたくはないし、自分の信用がなくなることが一番イヤだった。
それでもやってみたい20代を止めはせんよ。青春の貴重な時間とお金を使って人生に疲れるがいい。
プレゼン・コンシェルジュNOVOの辛口web日記は
ただいま【第2985号】